スペシャリティコーヒーがわたしたちのコーヒー文化を変える
スペシャリティコーヒーとは、従来から一般に流通している商品(コマーシャルコーヒー)
とその品質で差別化されるコーヒーのことです。ただし、特に統一の定義が固まっているわけ
ではありません。
しかし、そのコンセプトは単純明快で、『 特別の気象・地理的条件がユニークな香気を持つ
コーヒー豆を育てる
』(Ema Knutsen女史)ということです。
コマーシャルコーヒーの多くは、「ブラジル」とか「モカ」などの名称で呼ばれていますが、
これらは豆の品種や特性を特定するものでありません。単に、生産された国や地域を示してい
るだけです。したがって、ひと括りに「ブラジル」といっても、味や品質レベルはさまざまで
す(日本全国で生産される日本酒やお米をまとめて「ニッポン」というブランドで呼ぶのと同
じです)。そして、多くの場合は物流過程で多様な豆が混ぜられてしまっているので、見た目
以外で品質を評価することは無意味といえます。
スペシャリティコーヒーはこの現状を問題視することから生まれました。どこの生産者がど
んな品種をどんな方法で作ったのか。これが明確な豆について、消費国側の価値判断(味や風
味)で良いものは良いときちんと評価しよう、という動きです。これは生産者の「手間暇かけ
ても美味しいコーヒーを育てよう」というモチベーションアップにつながっているのです。
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